青春になりたくない -2月11日04 Limited Sazabys 武道館公演-
-
時間は既に開演5分前。駅から会場までの道を全速力で走っていた。
なんでこんな日に、こんな大切な日に遅刻するんだと泣きたくなった。
浮かれて青山でお茶でもしようとのんびりしていて、気づいたら開場時間になっていた。
日頃の運動不足が祟って息切れする。足が重い。でもどうしても。今日だけは、走らなきゃだめだ。
ヒイヒイ言いながら到着。チケットを交換して勢いよくドアを開く。聞こえてきたのは何度も聴いてきたあの曲だった。
<いつから悲しいとか優しいとか涙の口実 君以外に何を取る いつかが正しいとか悔しいとか涙の抗議中 君以外に何を望む>
一曲目、“monolith”。
あの4人が日の丸の下で、ライブしてる。
本当にこんな日に立ち会えるなんて。
2017年2月11日。04Limited Sazabys初の武道館公演。
わたしにとっても武道館でのライブを見るのは初めて。初めての武道館は彼らのライブだと決めていた。
「名古屋のライブハウスから来ました!04 Limited Sazabysです!」
GEN(Bass/Vocal)の言葉に湧き上がる歓声。
この日この場所を選んで集まった多くのひとびと。こんなにたくさんのひとたちが、この4人のライブを見るためだけにここに集まっているんだと思うと、喉がくっと締まって胸が熱くなった。
“fiction”、“escape”の連続攻撃、RYU-TA(Guitar/Chorus)の「フォーリミ!フォーリミ!」「日の丸!日の丸!」の掛け声から始まった“Chicken race”等々、最新アルバムからはもちろん、“bless you”など懐かしい曲、アンコール、ダブルアンコールを含め全33曲。
「チームフォーリミの技術の結晶の日だからさ、みんな俺たちから目を離さずに、俺たちの輝いてる瞬間を見逃すな」
とGENの言葉から間髪入れずに“Grasshopper”。
<明日の自分はどうだ>
と曲のワンフレーズがンバーの背景に映し出される、たまらない。
曲ごとに照明も背景の映像も変わっていて、こういう大きな舞台だからこそできることだ。
急に静まった会場に流れる今日までの過去のライブ日程と映像たち。
そして日付けが『2017.0211』と表示されると、HIROKAZ(Guitar)の演奏とGENのアカペラで始まった“Buster call”。
どんなステージでも、例えそれが日本一敷居の高い体育館でも、普段のスタイルが全くぶれることなく、こんなところで止まらないもっともっと幸せになりたいという彼らの貪欲さが伝わるライブ。
そんな彼らから一瞬たりとも目が離せない、離したくない時間。
「俺たちはみんなの青春になりたくない。みんなと一緒に歳をとりたい。」
「できれば!一生一緒にいたい!」
その日、日本一の武道の聖地は、間違いなくライブハウスと化していた。
名古屋のライブハウス出身04 Limited Sazabys。
彼らにはいつまでも光を照らし続けるバンドであってほしい。
ただ、ただ、先へ、進め。